2026.02.20
MFTトレーニングのやり方を種類別に6つ解説。トレーニングの重要なポイントも
この記事を監修した人
C&C美原デンタルクリニック院長
杉田彰久
院長の杉田は成人・小児矯正を含めた各種先進医療を幅広く診療しており、口腔内の全体を診る全顎的な治療が可能です。特にマウスピース矯正治療を得意とし、MeLoS認定アライナー教育担当講師でもあります。患者様の希望や不安を丁寧に伺い、幅広い治療計画から患者様に適した治療方法を一緒に考え、地域のかかりつけ歯科医を目指しています。
歯科医院で多くの患者様を診ていますが、実は多くの方が無意識のうちに舌や唇に好ましくない癖を持っています。
MFT(口腔筋機能療法)トレーニングは、お口周りの筋肉を正しく使うことで、長年の悪い習慣を改善し、お口全体の機能を健康な状態に導くための大切な訓練です。
本記事では、具体的なMFTトレーニングの種類とやり方、そしてその効果、継続の重要性まで詳しく解説します。
MFTトレーニングのやり方

ポッピング
ポッピングは、舌の正しい使い方を学ぶ基礎的なトレーニングです。このトレーニングの大きな目的は、舌全体を上あごにしっかりと吸い上げる感覚を身につけ、舌の筋力を高めることです。
具体的なやり方
- 舌の表面全体を上あごにしっかりと吸い付けます。
- 舌を上あごに吸い付けたまま、お口をゆっくりと大きく開きます。
- 舌を上あごから勢いよく離し、「ポン」という破裂音を出します。
毎日続けることで、舌の正しい動きが自然と身についてきます。
スポットポジション
「スポットポジション」は、舌を正しい安静時の位置に保つための練習で、歯並びやかみ合わせ、鼻呼吸の習慣に関係します。舌が正しい位置にあることで、整った歯並びが後戻りするのを防ぐ効果も期待できます。
具体的なやり方
- 軽く口を閉じ、唇を合わせます。
- 舌の先端を上あごの「スポット」に優しく触れさせ、舌全体を上あごにぴったりと吸い上げます。この状態を数分間保ち、慣れてきたら日中も自然に保てるよう心がけましょう。
継続することで舌の自然な位置として定着し、口の健康に良い影響をもたらします。
ティップ
「ティップ」トレーニングは、舌の先端を器用に動かす能力を高めることを目的としています。同時に、口をしっかりと閉じる役割を担う「口輪筋」の力も強化します。
舌の動きが正確にコントロールできるようになると、食べ物を飲み込む動作(嚥下)がスムーズになります。これは、食事中の誤嚥を防ぐ上で非常に重要な要素となります。
具体的なやり方
まず、清潔な人差し指を一本用意します。お口を軽く開け、舌の先を指の腹で軽く押さえます。
スラープスワロー
スラープスワローは、飲み込み方を身につけるためのトレーニングです。舌を上手に使った飲み込み方を習得することで、お口の健康を守り、歯並びの安定にもつながります。
具体的なやり方
- 少量の水を口に含みます。
- 舌の先端を、上あごの前歯の裏につけます。
- 舌の全体を使って、水を上あごに広げます。
- 舌で水を上あごに押しつけたまま飲み込みます。
飲み込み方を習慣にすることで、舌癖の改善や歯並びの安定に貢献します。
ポスチャー
ポスチャーとは、正しい姿勢を意識することで全身の筋肉のバランスを整えるトレーニングです。体の姿勢は、お口の周りの筋肉の状態と深く関係しています。正しい姿勢を保つことで、舌が自然に正しい位置に収まりやすくなり、口呼吸の改善が期待できます。
具体的なやり方
- 椅子に座る場合は深く腰掛け、骨盤を立てるように意識します。
- 背筋をまっすぐに伸ばし、肩の力をリラックスさせて抜きます。
- 軽くあごを引き、頭が体の上にバランス良く乗っている状態を意識します。
大切なポイントは、無理なくリラックスして姿勢を保つことです。
ボタンプル
ボタンプルは、口唇閉鎖力を強化するためのトレーニングです。このトレーニングは、口輪筋を鍛え、唇を自然に強く閉じられるようにすることを目指します。具体的なやり方は以下のステップで進めてください。
具体的なやり方
- 大きめのボタンと丈夫な紐を用意します。
- ボタンをお口の中に、歯と唇の間に挟むように入れます。
- ボタンを唇でしっかり挟んだまま、紐の輪っかを指で持ち、ゆっくりと前方へ引っ張ります。
大切なポイントは、無理に力を入れすぎず、唇の筋肉でボタンを支える感覚を意識することです。
MFTトレーニングで得られる効果

口周りの筋肉のバランスが整う
お口の周りには、舌や唇、頬など、多くの筋肉があり、食べ物を噛んだり飲み込んだりする機能だけでなく、普段の呼吸、会話、そして歯並びにも深く関わっています。
MFTトレーニングを続けると、以下のような具体的な良い変化が期待できます。
- 舌の正しい位置を覚える
歯並びに対する舌からの不必要な圧力を減らすことにつながります。
- 唇の力が強くなる
口呼吸が改善され、鼻呼吸の習慣が身につきます。
このように、お口周りの筋肉がバランス良く働くようになると、お顔全体の印象も引き締まり、健康的で美しい口元を目指すことができるのです。
歯並びや噛み合わせの改善に繋がる
歯並びや噛み合わせの乱れは、遺伝的な要因だけでなく、日頃のお口の習慣と深く関係しています。
特に、舌の位置や使い方、呼吸の仕方などが影響を及ぼすことが多いです。MFTトレーニングは、これらの「悪い癖」を改善し、歯並びや噛み合わせが本来あるべき良い状態へと向かうようサポートします。
トレーニングは、専門家の指導のもと、患者様一人ひとりの状態に合わせてカスタマイズされます。舌が歯に触れる好ましくない癖をなくすことで、歯が正しい位置に並ぶのを助け、安定させます。
このように、MFTトレーニングによってお口の機能が改善されると、歯並びを乱す根本的な原因を取り除くことにつながります。また、美しい笑顔と健康的な口腔環境を手に入れることにもつながります。
歯列矯正の効果を得やすくなる
歯列矯正治療は、歯を動かして理想的な噛み合わせを目指すものですが、矯正治療で歯を動かしただけでは、その後の安定が難しい場合があります。
なぜなら、歯の周りにある舌や唇、頬といった筋肉のバランスが悪いと、せっかく整えた歯並びが、治療後に元の状態に戻ろうとする「後戻り」を起こしてしまうリスクが高まるからです。
MFTトレーニングが歯列矯正に与える具体的なメリットは以下の通りです。
- 治療効果の安定
治療後の後戻りのリスクを減らし、安定した歯並びを維持しやすくなります。
- 理想的な噛み合わせの獲得
筋肉のバランスが整うことで、歯が最も良い位置で機能するようになります。
MFTトレーニングはお口全体の機能を整えることで、より長持ちする美しい歯並びを手に入れるための一歩となります。
MFTトレーニングを
実施する際の注意点

継続することで効果が得られる
お口の筋肉を正しく使えるには、日々の積み重ねが不可欠です。私たちは長年、無意識に特定の筋肉を使ってきました。そのため、MFTトレーニングも最低3ヶ月から半年継続が大切です。継続の工夫として、以下の方法が考えられます。
- 毎日決まった時間に行う
歯みがきの後や寝る前など、生活に組み込むと忘れにくいです。
- 目標を明確にする
具体的な目標を設定するとモチベーションを維持できます。
- 記録をつける
トレーニング内容や変化を記録し、自分の成長を実感できます。
焦らず、ご自身のペースでトレーニングを楽しみ続けましょう。
正しい方法で行う
MFTトレーニングはお口周りの筋肉の動きを伴うため、正しい方法で行うことが重要です。間違ったやり方で続けると、効果が得られないだけでなく、お口周りの筋肉に負担をかけてしまう可能性があります。
正しい方法を身につけるには、以下のポイントを意識することが大切です。
- 鏡を見ながら練習する
鏡で口の動きを確認しながら行うことで、正しいフォームを目で見て判断できます。
- 指示された回数と時間を守る
トレーニングには、それぞれに最適な回数や時間が設定されています。
- 無理をしない
自己流で判断せず、最初に専門家から指導を受け、指導された通りに行うことが大切です。
歯科医院で定期チェックをしてもらう
MFTトレーニングを続ける上で、歯科医院での定期的なチェックは大切です。専門家による定期チェックを受けることで、多くのメリットがあります。
- 正しいトレーニング方法の確認
歯科医師や歯科衛生士が、現在のトレーニング方法が正しく行われているかを評価します。
- 効果の進捗状況の評価
舌の位置の変化、唇の締まり具合などを客観的に評価してもらえます。
- トレーニング内容の調
患者様のお口の状態やトレーニングの進捗に合わせて、内容や強度を見直すことができます。
定期的なチェックを上手に活用し、安心してMFTトレーニングに取り組みましょう。
子どもと大人の
MFTトレーニングの違い

お子さま
成長期のお子さまにとって、MFTトレーニングは将来の健康を育む上で大切です。
顎の骨格や歯並びが大きく変化する時期に、舌や唇の筋肉が使われることは、健全な発育を促します。良い口腔機能を身につけることで、歯並びが自然に良い方向へ導かれ、将来的な歯科治療の負担を減らすことにも繋がります。
大人の方
大人の方のMFTトレーニングは、長年の生活の中で無意識に培われてきたお口の癖を修正し、すでに生じているお口の問題の改善に当てます。
正しいMFTトレーニングは、口腔機能の改善を通じて、歯並びの安定化、顎関節への負担軽減に繋がり、自信に満ちた笑顔を取り戻す手助けとなります。年齢に関わらず、MFTトレーニングはご自身の努力が実を結ぶ治療法です。
MFTトレーニングのやり方に
不安がある方は、
堺市美原区の
「C&C美原デンタルクリニック」へ
ご相談ください

MFT(口腔筋機能療法)トレーニングは、お口の周りの筋肉を正しく使うための訓練です。堺市美原区の「C&C美原デンタルクリニック」では、患者様の様々な気持ちに寄り添い、専門知識を持つ歯科医師や歯科衛生士が、日々のトレーニングを丁寧にサポートいたします。
自己流のトレーニングでは、意図しない場所に力が入り、期待する効果が得られないこともあります。当クリニックでは、患者様一人ひとりの口腔内の状況、これまでの癖、そして年齢を考慮し、個別のトレーニング計画を作成しています。
ご自宅でトレーニングを続けている中で、「これで良いのか」という疑問や、「効果を感じにくい」と感じることもあるかもしれません。MFTトレーニングは、正しい知識と継続が何よりも重要です。 MFTトレーニングが気になる方はお気軽に当院までご相談ください。