2025.08.29

小児矯正の種類は?それぞれの特徴や期間・費用も解説

お子様の歯並びについて、「一体いつから始めればいいの?」「どんな装置を使うの?」といった疑問を多くお持ちの保護者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、それぞれの装置が持つメリット・デメリット、そしてどのような複雑な歯並びに効果的なのかを徹底的に解説します。お子様の輝く明るい未来のために、最適な治療法を見つけるための一助となれば大変幸いです。

小児矯正で使用する装置の種類

小児矯正で使用する装置の種類

可撤式矯正装置

可撤式矯正装置は、患者様ご自身で容易に取り外しができる装置で、主に永久歯が完全に生えそろう前に行うⅠ期治療で用いられます。この装置の利点は、生活シーンに合わせて容易に着脱できる点にあり、食事や丁寧な歯磨きの際は取り外せるため、普段通りに行うことが可能です。

しかし、自己管理が強く求められるため、患者様の協力が特に不可欠です。一方で、治療効果は装置の装着時間に非常に大きく左右されるため、決められた時間を守れないと、計画通りに治療が進まない可能性もあります。

固定式矯正装置

固定式矯正装置は、歯科医師が歯に直接装着する装置です。治療が完了するまで、患者様ご自身で取り外すことはできません。主にⅠ期治療で土台を整えた後、永久歯を精密に動かすⅡ期治療で用いられます。

24時間持続的に力をかけられるため、治療計画通りに歯を動かしやすいのが特徴です。一方、ご自身で外せないため、装置の周りに汚れが溜まりやすく、丁寧な歯磨きが不可欠になります。

顎外固定装置

顎外固定装置は、お口の外から力をかけてあごの成長を導く装置です。お口の中の装置だけでは難しい、骨格そのもののアンバランスが大きい場合に使用します。あごの成長方向を直接コントロールできるのが、この装置の大きな特徴です。

成長期のお子様だからこそ行える、将来の土台作りを目的とした治療法と言えます。

小児矯正で使用する
可撤式矯正装置の種類

小児矯正で使用する可撤式矯正装置の種類

拡大床

拡大床は、お子様の顎の成長期に用いる取り外し可能な矯正装置です。歯が並ぶための土台となる歯列弓を横に広げることを目的とし、顎が小さいために歯が重なり合って生えてしまう叢生(そうせい)の改善が期待できます。

この装置は主にレジンというプラスチックのプレートと金属のワイヤーで作られており、装置の中央には拡大ネジが埋め込まれています。また、上顎の骨は鼻の穴の底でもあるため、顎を広げることで鼻腔が広がり、鼻呼吸がしやすくなる効果も期待できます。

バイオネーター

バイオネーターは、お子様自身の成長する力を利用し、下顎の成長を前方に促すための可撤式矯正装置です。この装置は、上顎前突、いわゆる「出っ歯」の中でも、特に下顎が小さい、または後ろに下がっていることが原因の場合に効果を発揮します。

単に歯を動かすのではなく、お口の周りの筋肉の力を借りて、骨格的なバランスを整えることを目的とします。その状態を保つことで、お口周りの筋肉のバランスが整い、下顎の骨の成長をサポートします。

リップバンバー

リップバンパーは、下唇の癖が歯並びに影響する場合に用いる矯正装置です。歯並びは、内側からの舌と外側からの唇や頬の筋肉の力が釣り合う位置で決まります。

リップバンパーは、唇と筋肉のアンバランスを整える装置です。装置は奥歯のバンドとワイヤー、唇の前のシールドで構成されます。バンパーが盾となり、下唇が前歯に直接当たるのを防ぎ、歯列が拡大し、スペースが生まれます。この装置は、お口周りの筋肉の力が強いお子様に有効です。

ムーシールド

ムーシールドは、3歳頃から始められる受け口改善用のマウスピース型矯正装置です。お子様の骨格がまだ柔らかい乳歯列期に治療を開始することが特徴で、早期の改善を目的としています。

ムーシールドは、お口周りの筋肉のバランスを整える筋機能療法に基づき、主に就寝中に装着することで、無意識のうちに筋肉の正しい使い方を学習させます。また、過剰な下唇の力が下の前歯を押すのをブロックし、お口を閉じる筋肉の働きを整え顎のバランスを改善します。

インビザライン・ファースト

インビザライン・ファーストは、デジタル技術を活用したマウスピース型矯正装置で、主に乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」のお子様が対象です。透明で目立ちにくいため、見た目を気にされるお子様でも心理的な負担が少なく始めやすいのが特徴です。

顎の幅を広げて将来の永久歯のスペースを確保する「歯列弓の拡大」と、個々の歯を精密に動かす「歯の移動」を一つの装置で同時に行えます。

プレオルソ

プレオルソは、お子様の口周りの筋肉を機能させるマウスピース型矯正装置です。歯を動かして並べるのではなく、歯並びを乱す根本原因にアプローチします。プレオルソは筋肉の不調和を整え、顎の成長をサポートします。

素材はポリウレタンで、装着時の違和感が少ないのが特徴です。期待される効果は、歯並びの改善、口呼吸から鼻呼吸への移行を促します。

小児矯正で使用する
固定式矯正装置の種類

小児矯正で使用する固定式矯正装置の種類

急速拡大装置

急速拡大装置は、お子様の上顎の横幅が狭い場合に、歯が並ぶスペース不足を改善するために使われます。この装置を使用することで上顎の骨のつなぎ目を広げます。装置の中央にあるネジを回して顎の幅を広げ、歯が自然に並ぶためのスペースを確保します。

急速拡大装置の特徴は、上顎骨の幅を骨格レベルで拡大し、歯が並ぶスペースを確保することです。装着後やネジを回した際に、歯や鼻の奥に圧迫感や痛みを感じることがあります。

クワドヘリックス

クワドヘリックスは、上顎の歯並びの幅を広げる固定式装置です。奥歯に固定した金属の輪を土台とし、装置のバネが持つ力を利用して歯列を横方向に押し広げます。クワドヘリックスは歯と骨に働きかけ、歯列の幅を整えます。装置が舌に触れるため、装着当初は異物感や発音のしにくさを感じますが、多くは慣れていきます。

装置の周りは食べ物が挟まりやすく、毎食後、丁寧な歯磨きを心がけましょう。歯科医師がバネの力を調整しながら治療を進めていきます。

リンガルアーチ

リンガルアーチは、主に下の歯列の裏側に装着する固定式の装置で、左右の第一大臼歯に金属の輪をはめ、そのバンドを土台として歯列の裏側に沿うように太いワイヤーを設置します。リンガルアーチの役割として虫歯で乳歯が早く抜けてしまった場合に、奥歯が前に倒れるのを防ぎ永久歯が生えるためのスペースの維持があります。

装置の周りは食べかすや歯垢が溜まりやすい場所であるため、虫歯や歯肉炎を防ぐため毎食後の丁寧な歯磨きが不可欠です。

タングガード

無意識に行っている「舌の癖」が歯並びを大きく乱す原因となることがあります。タングガードは、この舌の悪い癖を改善するための固定式装置です。特に、舌で前歯を押し出す「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」の改善を目指します。

安静時、舌の先は上顎の前歯の少し後ろにある「スポット」に軽く触れているのが正常です。しかし、舌突出癖があると、話したり飲み込んだりする際に無意識に舌が前歯を押してしまいます。この持続的な力は、歯を動かすのに十分な影響力を持っています。

小児矯正で使用する
顎外固定装置の種類

上顎前方牽引装置

上顎前方牽引装置は、受け口(反対咬合)の早期改善を目指す装置です。この装置は、おでこと下顎を支点としてしっかりと顔に装着し、お口の中に設置した装置とゴムで連結させ、上顎骨全体を前方に引っ張り成長を促します。

治療のポイントは、上顎骨の劣成長が原因の受け口であること、1日に12時間以上の装着が治療効果を得るための目安となること、治療期間は顎の成長や協力度によって異なり、一般的には1年から2年ほどであることです。

ヘッドギア

ヘッドギアは、主に上顎前突の歯並び改善に広く用いる矯正装置です。特に歯の傾きだけでなく、上顎の骨自体が前方へ成長している場合に非常に効果を発揮します。頭や首を固定源として利用し、口の中の奥歯へ装着した装置へ、持続的に後ろ向きの力を効果的に加えます。

前方へ向かう上顎成長を緩やかにし、下顎とのバランスを理想的に整えます。この装置は顔前に出る「フェイスボウ」と、頭や首に装着する「ヘッドキャップ」から構成されます。

チンキャップ

チンキャップは受け口治療に用いる矯正装置で、特に下顎骨が前方へ成長している場合に選択肢となります。この装置は下あご先端部分であるオトガイ部にカップを当て固定し、頭に装着するヘッドキャップとゴムでつなぐことで下顎骨に力を加えます。これにより前方へ向かう下顎の成長を抑制し、成長方向をコントロールすることが目的です。

この治療法は下顎骨の成長が活発な時期に効果が期待できます。症状があれば、専門の歯科医師に相談し診断を受けることが重要です。

小児矯正に関して相談したい方は、
堺市美原区の「C&C美原デンタルクリニック」へご相談ください

C&C美原デンタルクリニック

お子さんの歯並びが気になる保護者の方にとって、小児矯正は費用や治療期間、方法など、様々な不安がつきものです。お子さんの歯並びに関するお悩みやご不安は、C&C美原デンタルクリニックの無料相談で解消してみませんか?経験豊富なスタッフが、親御様とお子さんをサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

CLINIC INFORMATION

堺市美原区の歯医者 | C&C美原デンタルクリニック

患者樣一人一人に合わせた治療方法をご提案

診療時間
09:30~17:30 - -

※休診日:木曜・日曜・祝日

ビバモール美原南 インターメディカルゾーン2F

〒587-0002
大阪府堺市美原区黒山1008番地
ビバモール美原南インター メディカルゾーン2F

  • 電車でお越しの方

    近鉄「河内松原駅」より
    近鉄バスで「国道黒山」下車徒歩1分

  • 車でお越しの方

    岸和田方面から阪和道美原南ICより約3分