2025.12.12
7歳の歯並びについて。歯列矯正が必要な歯並びと、自然に戻る歯並びをご紹介
この記事を監修した人
C&C美原デンタルクリニック院長
杉田彰久
院長の杉田は成人・小児矯正を含めた各種先進医療を幅広く診療しており、口腔内の全体を診る全顎的な治療が可能です。特にマウスピース矯正治療を得意とし、MeLoS認定アライナー教育担当講師でもあります。患者様の希望や不安を丁寧に伺い、幅広い治療計画から患者様に適した治療方法を一緒に考え、地域のかかりつけ歯科医を目指しています。
お子さんの歯並びについて、「7歳」という大切な時期に「このままで大丈夫なのだろうか?」「いつから矯正を始めるべき?」と不安を感じていませんか?乳歯と永久歯が混じり合うこの混合歯列期は、お子さんの顎の成長を良い方向に導き、将来の歯並びを大きく左右する重要な時期です。
この記事では、7歳のお子さんに見られる歯並びのうち、早期の歯列矯正を検討すべきケースと、焦らず経過観察で良いケースの特徴を具体的にご紹介します。
子どもの矯正を
7歳から始めるのは早い?遅い?

お子さまの歯並びについて、いつから歯列矯正を始めるべきか悩む保護者の方は多いでしょう。特に7歳は乳歯と永久歯が入り混じる大切な時期で、顎の骨が成長している真っ最中です。7歳から歯列矯正を始めることは「第一期治療」と呼ばれ、顎の骨の成長を良い方向に導き、将来的に永久歯が並ぶ土台を整えることを目的としています。
具体的には顎の成長が不十分で永久歯が並びきらない場合や、上下の顎の骨の位置にズレがある場合などです。このように考えると、7歳からの歯列矯正は決して早すぎるわけではありません。お子さまの歯並びについて少しでも気になることがあれば、ぜひ一度歯科医師へご相談ください。
7歳のうちの歯並びは
自然に戻る?

前歯がハの字
7歳頃のお子さまで、上の前歯がアルファベットの「ハ」の字のように開いているのを見かけることがあります。これは「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼ばれる状態ですが、多くの場合、永久歯への生え替わりの過程で一時的に見られるものです。
上唇小帯は、上唇の内側から歯ぐきへと伸びる「ひだ」です。このひだが太く、上の前歯の間に深く入り込んでいると、歯と歯の間が離れてハの字に見えることがあります。お子さまの顎が成長し、永久歯の犬歯が正しく生えてくることで、前歯の隙間は自然に閉じることが多いのです。
具体的には、犬歯が生え揃っても隙間がなかなか閉じないケースでは、外科的な処置が必要になることもあります。心配な場合は、一度歯科医院を受診し、お子さまの歯並びが自然に改善する可能性が高いのかを専門家に見てもらうことが大切です。
乳歯のすきっ歯
乳歯のすきっ歯は、お子さまの顎の成長と永久歯の生え替わりにとって望ましい状態とされます。乳歯は永久歯より小さく、乳歯列の段階で歯と歯の間に適度な隙間があることは、将来生えてくる大きな永久歯が顎に収まるための準備になります。乳歯の間に隙間があることで、永久歯が生えるためのスペースが確保され、歯が重なって生えるリスクを減らせます。
さらに、歯並びだけでなく、発音にも良い影響を与える可能性があるとされています。また、乳歯列に隙間があることは、顎の骨が順調に成長している証拠でもあり、顎が大きく成長することで、永久歯もきれいに並ぶ土台が形成されます。お子さまの乳歯のすきっ歯について気になることがあれば、歯科医院へご相談ください。
永久歯への生え替わりによるすきっ歯
7歳頃から永久歯への生え替わりが本格的に始まり、前歯の永久歯が生えてきたばかりの時期に、歯と歯の間に一時的に隙間ができることがあります。一時的なすきっ歯が自然に治りやすい理由は、隣の永久歯の萌出圧力によるものです。
まだ生えていない隣の永久歯、特に上顎の犬歯が生えてくる際に、その強い力が前歯を内側へと押し寄せることで、開いていた前歯の隙間が自然と閉じていくことが期待できます。ただし、遺伝的な要因や、「指しゃぶり」や「舌で前歯を押し出す癖(舌癖)」など、お口の悪い癖がある場合は、自然には治りにくく、矯正治療の検討が必要になることがあります。
お子さまの歯並びについて少しでも気になる場合は、成長段階に応じた専門的なアドバイスと、もし口腔習癖があればその改善指導も含めて、歯科医院で相談することをおすすめします。
7歳時点で
歯列矯正が必要な歯並び

出っ歯
出っ歯とは、上の前歯や上あご全体が下の歯や下あごよりも前に突き出ている状態を指し、上顎前突と呼ばれる不正咬合の一種です。保護者の方が気づくサインとしては、横顔で上唇が突出して見える、口を閉じにくい、前歯をぶつけやすい、サ行やタ行の発音が不明瞭になるなどが挙げられます。
放置すると、口腔内の乾燥による虫歯や歯周病のリスク、転倒時の外傷リスクが高まります。また、前歯で食べ物を噛み切りにくくなる、サ行やタ行の発音が不明瞭になるなど、咀嚼や発音にも影響が出ることがあります。口元の見た目を気にして、精神面に影響を及ぼすこともあります。
7歳頃は顎の骨が成長している大切な時期であり、早期に治療を開始することで、上あごの成長をコントロールし、将来的に抜歯をせずに良い歯並びを目指せる可能性が高まります。
受け口
受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態を指し、下顎前突または反対咬合と呼ばれます。保護者の方が気づくサインとしては、横顔で下あごが前に出ていることなどが挙げられます。
放置した場合、咀嚼機能や発音への影響、顎の成長への影響などが考えられます。上下の前歯が逆の位置にあるため、食べ物をうまく噛み切ることが困難になります。下あごが前に出ていることで、舌の位置が正常な発音を妨げることがあり、サ行、タ行、ラ行などの発音が不明瞭になることがあります。噛み合わせのバランスが悪い状態が続くため、顎関節に継続的な負担がかかり、将来的に顎関節症を発症するリスクが高まります。
7歳前後は顎の骨の成長をコントロールする治療が効果的に行える時期であり、早期に介入することで外科手術を避けられる可能性が高くなります。
叢生
叢生とは、歯がデコボコに並んでいたり、重なり合って生えていたりする状態を指し、一般的に「乱杭歯」とも呼ばれます。この状態は、見た目の問題だけでなく、口腔内の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。保護者の方が気づくサインとしては、歯並びが全体的にガタガタに見えることや、歯がねじれて生えていたり、重なり合って生えていたりする部分があることなどが挙げられます。
特に、前歯の叢生は見た目に影響が出やすいため、早期の発見につながることが期待されます。放置した場合、歯が重なり合っている部分は歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。さらに、歯ブラシが届きにくいため、セルフケアだけでは清潔な状態を保つのが難しく、不均等な噛み合わせは顎関節に無理な力をかけ、顎関節症を引き起こすリスクを高めることもあります。
開咬
開咬とは、奥歯を噛み合わせた時に前歯が閉じず、上下の歯の間に隙間ができる状態を指します。保護者の方が気づくサインとしては、口を閉じても前歯に隙間が見える、麺類などを前歯で噛み切れない、サ行やタ行の発音が不明瞭、口が乾燥しやすい、指しゃぶりや舌癖が続いていることなどが挙げられます。
放置した場合、前歯で食べ物を噛み切ることが困難になり、奥歯への負担が増加します。前歯の隙間から息が漏れるため、サ行やタ行の発音が不明瞭になることもあります。口が常に開いていると口の中が乾燥しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まったり、口元の見た目を気にして、精神面に影響を及ぼすこともあります。
早期治療として、7歳頃は口腔習癖を改善しやすい時期であり、矯正治療と並行して、前歯の隙間を閉じることが可能です。
過蓋咬合
過蓋咬合とは、噛み合わせが深すぎる状態を指し、上の前歯が下の前歯を過度に覆い隠してしまう状態です。保護者の方が気づくサインとしては、お子さまが笑ったときに下の前歯があまり見えない、下の歯茎に上の前歯の先端の跡がついている、前歯の先端がすり減っているなどがあります。
放置した場合、上の前歯が下の歯茎に常に強く当たるため、歯茎が傷ついたり、炎症を起こしたりすることがあります。また、特定の歯に過度な力がかかり、歯がすり減ったり、ひび割れを起こしたりするリスクが高まります。歯への過度な負担は、将来的に歯の寿命を縮める原因となることもあります。
早期治療は、顎の成長を利用して噛み合わせの深さを改善し、上下の歯のバランスを整えることができます。早期の介入は、将来的な顎関節への負担を軽減し、歯や歯茎の健康を守るためにも重要です。
7歳の子どもの
歯列矯正にかかる期間・費用

期間
第一期治療は、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」に行われ、主な目的は顎の成長を良い方向に導き、将来的に永久歯がきれいに並ぶための土台を整えることです。また、永久歯が十分に生えるスペースを確保し、顎の成長が不十分で永久歯が並びきらないことを防ぎます。
第一期治療で顎の土台を整えた後、永久歯が全て生え揃ってから本格的な歯の移動を行う第二期治療へ移行する場合があります。第一期治療を適切に行ったお子さまは、第二期治療での負担が軽減されたり、治療期間を短縮できたりする可能性が高まります。治療期間中は、月に1回程度のペースでクリニックに通院していただき、装置の調整や歯の状態の確認を行います。
費用
お子さまの歯列矯正は自由診療のため、クリニックや治療内容によって費用が異なります。費用の不安を軽減するため、一般的な費用の目安と内訳を説明します。
歯列矯正の費用は、主に相談料、精密検査・診断料、装置代・処置料(第一期・第二期治療)、保定装置代に分けられます。装置代・処置料(第一期治療)は、顎の成長をサポートする装置などの費用で、毎月の調整料も含まれます。保定装置代は、治療後の後戻りを防ぐための装置の費用で、治療後の安定に重要です。
一般的な費用は変動しますが、目安は以下の通りです。第一期治療費は300,000円~500,000円、第二期治療費は400,000円~800,000円、保定装置代は30,000円~80,000円です。
7歳の子どもの歯並びに不安がある方は、
堺市美原区の「C&C美原デンタルクリニック」へご相談ください

7歳頃のお子さまの歯並びは、乳歯から永久歯へと生え替わる大切な時期です。お子さまの顎の骨や歯の生え方は、一人ひとり大きく異なります。当クリニックでは、デジタルレントゲンや口腔内スキャンなどの医療機器も活用し、お子さま一人ひとりの状態を精密に分析しています。
現在の歯並びはもちろん、将来的にどのように変化していくかを予測し、最適な治療計画をご提案することが私たちの使命です。この時期に専門家のアドバイスを受けることは、将来的な歯並びの問題を未然に防ぎ、お子さんの健やかな成長と美しい笑顔につながります。堺市美原区にある「C&C美原デンタルクリニック」は、小児矯正を得意としています。まずはお気軽にご相談ください。無料の矯正相談会も開催しています。