2026.04.17
小児矯正で二期治療をやらないとどうなる?やらなくて良い・やるべきケースをご紹介
この記事を監修した人
C&C美原デンタルクリニック院長
杉田彰久
院長の杉田は成人・小児矯正を含めた各種先進医療を幅広く診療しており、口腔内の全体を診る全顎的な治療が可能です。特にマウスピース矯正治療を得意とし、MeLoS認定アライナー教育担当講師でもあります。患者様の希望や不安を丁寧に伺い、幅広い治療計画から患者様に適した治療方法を一緒に考え、地域のかかりつけ歯科医を目指しています。
お子さまの歯並びについて、「いつから矯正を始めるべきか」「小児矯正にはどんな種類があるのか」といった疑問や不安をお持ちの親御さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
小児矯正には、顎の成長を利用する「一期治療」と、永久歯の歯並びを最終調整する「二期治療」があります。一期治療を終えた後、「二期治療も必ず必要?」「やらなかったらどうなるの?」と迷う方も少なくありません。
この記事では、そんな小児矯正の二期治療について、やらないとどうなるのか、そして、やらなくて良いケースとやるべきケースを詳しくご紹介します。大切なお子さまの将来の歯並びのために、ぜひ参考にしてください。
小児矯正の一期治療と
二期治療の違い

治療の目的
治療の目的は、小児矯正における一期治療と二期治療で異なります。それぞれの成長段階に合わせた役割を理解することが重要です。
一期治療(6歳から12歳頃)の目的
- 成長期を利用し、顎の骨の大きさや形を適切に誘導します。
- 顎を広げたり、乳歯を抜歯したりして、永久歯が正しい位置に生えるための準備を整えます。
二期治療(12歳以降)の目的
- 個々の歯の向きや傾き、位置をミリ単位で細かく調整し、見た目の美しさを追求します。
- 機能と審美性の両立では、発音の改善や、食べ物をしっかり噛むといったお口の機能も考慮し、総合的な改善を目指します。
使用する装置
小児矯正の一期治療と二期治療では、それぞれの治療目的に合わせて多様な矯正装置が使われます。
一期治療で使われる主な装置
- 拡大装置(取り外し式・固定式)顎の骨を広げて歯が並ぶスペースを作る装置。
- マウスピース型矯正装置透明なマウスピースで顎の成長を誘導する取り外し式装置。
- ヘッドギア頭部に装着し、上顎の成長や歯の位置を調整する装置。
- リップバンパー・タングガード唇や舌の悪習癖を改善し、歯並びへの悪影響を防ぐ装置。
- 機能的矯正装置筋肉の力を利用して顎の成長バランスを整える装置。
二期治療で使われる主な装置
- ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)歯にブラケットを装着しワイヤーで歯を動かす最もスタンダードな矯正装置。
- マウスピース型矯正装置透明で目立たない取り外し式のマウスピースで歯を動かす装置。
- 部分矯正装置気になる部分だけを短期間・低コストで整える局所的な矯正装置。
- アンカースクリュー歯茎の骨に小さなネジを埋め込み、歯を効率よく動かすための支点となる装置。
最新の矯正技術を取り入れ、お子さまにとって負担の少ない、効果的な治療を目指しています。
治療期間
小児矯正における一期治療と二期治療は、目的と使用する装置の違いから治療期間も異なります。一期治療の期間は一般的に約1年半から2年半程度です。二期治療は、すべての永久歯が生え揃ってから開始され、一般的に約1年半から3年程度の期間がかかります。
ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置などを用いて、個々の永久歯を動かし、理想的な歯並びと正しい噛み合わせを目指します。
矯正装置が外れた後も、歯が元の位置に戻ろうとするのを防ぐため、「保定期間」を設けることが重要です。一期治療と二期治療の両方を行う場合、トータルでの矯正治療期間は長くなる傾向があります。
通院頻度
小児矯正では、治療の進行状況の確認や装置の調整のために定期的な通院が不可欠です。一期治療中は、通常月に1回程度の通院が必要となります。この通院では、現在装着している装置が正しく機能しているかを確認し、必要に応じて調整を行います。
また、歯並びの状態や成長に合わせて、治療計画の見直しも行われることがあります。
二期治療中も、一般的に月に1回程度の通院が目安です。マウスピース型矯正装置の場合も、治療計画通りに歯が動いているかを確認します。通院時には、装置の使用状況や口腔内の衛生状態についても確認し、適切なアドバイスを受けることができます。定期的な通院は、治療を成功させるための重要な要素です。
小児矯正で二期治療を
やらない人はいる?

通院が難しくなった
小児矯正は数年にわたる通院が必要な治療のため、途中で通院が難しくなり、二期治療を断念せざるを得ないケースも少なくありません。
中学生や高校生になり、学業や部活動が忙しくなると、定期的な通院スケジュールを確保するのが難しくなることがあります。このような理由で通院が中断すると、治療計画が遅れるだけでなく、歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」のリスクが高まります。
もし通院が難しくなりそうな場合は、できるだけ早くクリニックへご相談いただくことが大切です。当院では、状況に応じて転院先の紹介や治療計画の見直しなど、お子さまにとって最善の選択肢を一緒に考え、サポートさせていただきます。
費用面で限界が来た
小児矯正は効果的な治療ですが、治療期間が長く医療費が高額になる傾向があるため、費用面で二期治療を断念される方もいます。
一期治療を終えた後、二期治療に進むとなると、追加で費用が発生することが一般的です。多くのクリニックでは、一期治療と二期治療はそれぞれ独立した治療として費用が設定されています。
一期治療から二期治療、そして保定期間まで含めると、数十万円から百万円を超える費用がかかることもあります。費用面で不安がある場合は、治療を始める前に、一期治療と二期治療のそれぞれの費用、そして両方行った場合のトータルコストについて確認しておくことが大切です。
子どものモチベーションを保てなかった
小児矯正は、お子さま自身の協力が治療の成功に不可欠です。
特に、取り外し式の装置を使用する場合や、毎日の丁寧な歯磨きを徹底する必要がある場合など、お子さまのモチベーションが治療の結果を大きく左右します。そのため、保護者の方も一緒になって、お子さまを励まし、サポートしていくことが大切です。
また、お子さまのモチベーションを維持するためには、治療の重要性をわかりやすく伝えることも重要です。当院では、お子さまが楽しく通院できるよう、コミュニケーションを重視し、不安な気持ちに寄り添って話を聞くよう努めています。
小児矯正で二期治療を
やらなくて良いケース

理想的な歯並びになった
一期治療は、お子さまの顎の成長を利用して、将来永久歯が適切に生え揃うための「土台」を整えることを主な目的としています。この土台作りが計画通りに進み、その結果として永久歯が理想的な位置にきれいに並んだ場合、二期治療を行う必要がないと判断できます。
- 歯が一本一本、適切な角度で並んでいる状態
- 歯列全体のアーチが整っている状態
一期治療によってこれらの状態が達成されていれば、無理に二期治療に進む必要はなく、定期的な経過観察を通じて、お子さまの健全な成長を見守っていくことになります。
噛み合わせに問題がない
歯並びが綺麗に見えても、噛み合わせに問題が残っていると、咀嚼機能の低下や顎への負担、発音のしにくさなど、将来的に様々な機能的な問題を引き起こす可能性があります。
奥歯がしっかりと噛み合っている状態では、上下の奥歯の山と谷が適切に噛み合い、食べ物を効率良くすり潰せる機能が保たれます。噛み合わせが整っていることで、顎の関節に不必要な力がかからず、顎関節症のリスクを低く保つことが期待できます。
当院では、お子さまの歯並びと噛み合わせの状態を総合的に評価し、将来にわたる口腔の健康を見据えた上で、二期治療の要否について丁寧に診断させていただきます。
小児矯正で二期治療を
やった方が良いケース

歯並び・噛み合わせがまだ整っていない
一期治療は、将来の永久歯のための顎の土台を整えることが目的です。
顎の骨を広げたり、成長をコントロールしたりすることで、永久歯がスムーズに生え揃う準備をします。しかし、永久歯が生え揃った後も、以下のような状態が見られる場合は、二期治療を検討する大切なタイミングです。
- 歯のデコボコが残っている場合
- 前歯が噛み合わない(開咬)
- 出っ歯や受け口が残っている場合
- 一部の歯が反対に噛み合っている(交叉咬合)
これらの問題が残っている場合は、二期治療で歯を動かし、最終的な噛み合わせと歯並びを整えることが重要です。また、口元が閉じにくくなることで、口呼吸の原因となる場合もあります。
永久歯が生える過程で歯並びが乱れた
小児矯正の一期治療は、永久歯が綺麗に生え揃うための準備を目的としていますが、その後の成長の過程で歯並びが乱れてしまうケースも存在します。
具体的には、永久歯が生える方向のずれが考えられ、乳歯が抜けた後、新しく生えてくる永久歯が予想とは異なる方向や位置に生えてしまうことがあるのです。
また、歯の生えるスペースの不足も原因となります。指しゃぶりや舌癖などの悪い習慣も、歯並びを乱す原因であり、これらの癖は、歯や顎に不適切な力を継続的に加え続けるため、せっかく整った歯並びが再び乱れる大きな原因となります。変化に気づいた際には、早めに歯科医師にご相談いただくことが大切です。
顎が成長中である
お子さまの顎の骨は成長期に著しく成長します。顎の骨格的なバランスにズレがある場合、この成長期を最大限に活用することが重要です。顎がまだ成長している段階では、骨が非常に柔らかく、適切な力を加えることで骨の成長方向を誘導しやすいという特徴があるためです。
上顎の成長が不足している場合も同様です。成長期に上顎を前方に丁寧に誘導する治療を行うことで、上下の顎の理想的なバランスを目指すことが可能です。
そのため、顎がまだ成長しているこの時期に二期治療を行うことは、お子さまにとって身体的な負担が少なく、自然な形で顎のバランスを整えるための大切な機会となります。
小児矯正に関して悩みがある方は、
堺市美原区の
「C&C美原デンタルクリニック」へ
ご相談ください

お子さまの歯並びや噛み合わせに関して、多くの親御さまが悩みや疑問を抱いていらっしゃることでしょう。
小児矯正は、単に歯をきれいに並べるだけでなく、将来のお口全体の健康や、顎の成長、さらには全身のバランスにも大きく影響する大切な治療です。適切な時期に専門的な診断を受けることが、お子さまの未来の笑顔を守る第一歩となります。
当クリニックでは、お子さま一人ひとりの詳細な成長過程を考慮し、精密な検査と丁寧なカウンセリングを最も重視しています。その情報に基づき、将来的な歯並びや噛み合わせまで見据えた、お子さまに最適な治療計画をご提案いたします。ご家族が安心して治療に臨めるよう、納得のいくまで話し合う時間を大切にしています。