2026.04.14
おしゃぶりは歯並びに悪影響?メリット・デメリットや辞めるべきタイミング
この記事を監修した人
C&C美原デンタルクリニック院長
杉田彰久
院長の杉田は成人・小児矯正を含めた各種先進医療を幅広く診療しており、口腔内の全体を診る全顎的な治療が可能です。特にマウスピース矯正治療を得意とし、MeLoS認定アライナー教育担当講師でもあります。患者様の希望や不安を丁寧に伺い、幅広い治療計画から患者様に適した治療方法を一緒に考え、地域のかかりつけ歯科医を目指しています。
お子さまの笑顔を大切にしたい親御さまにとって、「おしゃぶりは歯並びに悪影響があるの?」という疑問は尽きないことでしょう。心を落ち着かせ、育児の助けとなるおしゃぶりには、確かに多くのメリットがあります。
この記事では、おしゃぶりがお子さまの歯並びに与える具体的な影響から、知っておきたいメリット・デメリットまで、歯科医師の視点から詳しく解説します。大切なのは、リスクを理解し、上手に活用することです。
おしゃぶりは歯並びに
悪影響を及ぼす?

おしゃぶりが原因でなり得る歯並び
おしゃぶりを長期間使用すると、お子様の歯並びに影響が出ることがあります。
乳歯の時期に問題が起きると、噛む機能や発音にも影響を与える可能性があるので注意が必要です。具体的な歯並びの変化として、出っ歯(上顎前突)、開咬、交叉咬合が挙げられます。
出っ歯
出っ歯とは、上の前歯が前方に突き出てしまう状態です。おしゃぶりを吸う動作では、上の前歯に継続的に圧力がかかり、上の前歯が前方に傾きやすくなります。
開咬
開咬とは、奥歯を噛み合わせても、上下の前歯の間に隙間ができてしまう状態です。開咬になると、食べ物をうまく噛み切れないだけでなく、サ行やタ行などの発音が不明瞭になることもあります。
交叉咬合
交叉咬合とは、上下の歯が左右にずれて噛み合ってしまう状態です。噛むたびに顎関節に負担がかかり、将来的に顎関節症のリスクを高める可能性もあります。
永久歯にも影響が出る可能性がある
乳歯期の歯並びの問題は、一時的なものだと考える親御さまもいるかもしれません。
しかし、おしゃぶりの使用で乳歯の歯並びに影響が出た場合、後に生えてくる永久歯の並び方にも影響を及ぼす可能性があります。乳歯期の過ごし方が、お子さまの将来の歯並びに深く関わってくるのです。
その理由としては、以下の点が挙げられます。
- 乳歯が永久歯のガイドとなる
永久歯は乳歯の下で成長し、乳歯が抜けたスペースを目指して生えてきます。
- 口周りの筋肉や舌の癖
おしゃぶりを吸うことで身についた口の周りの筋肉の癖や舌の不適切な動きは、一度定着すると改善されません。 このような癖が残っていると、新しく生えてくる永久歯に圧力がかかります。
お子さまの歯並びや顎の成長は、その後の食生活や発音、顔立ちにも関わる大切なことです。
おしゃぶりを使うメリット

指しゃぶりの防止になる
赤ちゃんは本能的に、口で周りのものを探索したり、安心感を得たりする「吸啜(きゅうてつ)反射」という行動を持っています。そのため、お子さまが指しゃぶりをする姿は、成長の一環としてごく自然なことです。
しかし、指しゃぶりが長く習慣化してしまうと、お口の健康に様々な影響を与えるリスクが高まります。
これに対し、おしゃぶりは、指しゃぶりに代わる有効な手段として考えられます。おしゃぶりを使うことで、お子さまが指しゃぶりをする頻度を減らし、指しゃぶりが固定的な癖になるのを防ぐことができます。
指しゃぶりが長期化し、お口の健康へのリスクが定着する前に、おしゃぶりを活用する期間を設けることは、お子さまのお口の健康を守る上で一つの選択肢となり得ます。
育児のストレス軽減になる
育児は、お子さまの成長を間近で見守る喜びが大きい一方で、保護者の方には大きな負担やストレスが伴うものです。おしゃぶりが育児ストレス軽減に役立つ主な理由を説明します。
赤ちゃんがおしゃぶりを吸う行動は、吸啜反射を刺激し、安心感を得て気持ちが落ち着くことに繋がります。
寝かしつけの際に、おしゃぶりを吸わせることで、お子さまの入眠をスムーズにする効果が期待できます。お子さまがおしゃぶりによって落ち着く時間を確保できれば、親御さまは一時的に手を休めたり、別の用事を済ませたりすることができます。
このように、おしゃぶりは、お子さまの感情を落ち着かせるだけでなく、親御さまに精神的なゆとりをもたらすことで、育児におけるストレスの軽減に大きく貢献する可能性があります。
おしゃぶりを使うデメリット

歯並びが悪化しやすくなる
おしゃぶりの長期的な使用は、お子さまの歯並びに影響を与える可能性が高いと考えられています。特に、歯が生え始める時期から継続して使用すると、特徴的な歯並びになりやすくなります。
おしゃぶりを吸う動作は、上の前歯に持続的に前向きの圧力をかけます。その結果、上の歯が前に突き出て、上下の歯がうまく噛み合わない「出っ歯」の状態になりやすくなります。
おしゃぶりを常に吸っていると、上下の前歯の間に、おしゃぶり分のスペースができてしまいます。これにより、奥歯をしっかりと噛み合わせても、上下の前歯の間に隙間ができてしまい、前歯が閉じない「開咬」という状態になりやすくなります。
おしゃぶりを吸うときの頬の筋肉の緊張や、舌の不適切な位置が影響し、上あごの骨が横方向に十分に成長しないこともあります。
舌や口の筋肉の成長に影響が出ることがある
おしゃぶりは、歯並びだけでなく、お子さまの舌や口の周りの筋肉の成長にも影響を与える可能性があります。
特にお子さまの成長期においては、その影響は無視できません。おしゃぶりを吸っている間、舌は低い位置にあるか、おしゃぶりの形に合わせて動くことになります。そのため、正常な嚥下や発音に必要な舌の動きが妨げられることも考えられます。
おしゃぶりをくわえている間は、口元が常に開いている状態になりがちです。口呼吸を助長し、口腔内の乾燥や細菌の繁殖を招くリスクもあります。おしゃぶりを吸う行為は、口を閉じる筋肉を使っているように見えますが、口をしっかりと閉じる本来の力が十分に発達しないことがあります。
その結果、将来的に不正咬合や発音の問題を引き起こす可能性も否定できません。適切な時期におしゃぶりを卒業し、口周りの筋肉をバランスよく使うことが重要となります。
おしゃぶりの正しい使い方

正しいサイズを選ぶ
おしゃぶりを選ぶ上で最も大切なポイントは、お子さまの月齢や成長段階にぴったりの「正しいサイズ」を選ぶことです。サイズの合わないおしゃぶりを使い続けることは、お子さまの口の発育や将来の歯並びに悪影響を与えるリスクを高めてしまいます。
特に小さすぎるおしゃぶりは誤飲の可能性があり、大きすぎるおしゃぶりは嘔吐反射を引き起こすことがあるため注意が必要です。
お子さまの成長に合わないおしゃぶりを使用すると、口の中で安定しにくいため、舌で頻繁に押し出す癖がつきやすくなります。おしゃぶりを選ぶ際には、必ず製品パッケージに記載されているお子さまの月齢に合ったものを選びましょう。
使用時間を決める
おしゃぶりの恩恵を活かし、デメリットを抑えるには、使用時間を決めることが不可欠です。特に、就寝時以外はおしゃぶりを使わないなど、具体的なルールを設けると良いでしょう。
おしゃぶりの長時間使用は、不正咬合のリスクを高めます。そのため、2歳頃を目安におしゃぶりをやめる練習を始めるのがおすすめです。
口におしゃぶりがあることで、お子さまが発語する機会が減ってしまいます。言葉の発達を促すためには、日中はおしゃぶりを外し、積極的に話しかける時間を作りましょう。
お子さまの成長段階に合わせて、おしゃぶりの使い方を見直していくことが大切です。
清潔に保つ
お子さまが直接口に入れるおしゃぶりは、常に清潔な状態を保つことが重要です。おしゃぶりには、お子さまの唾液や食べかす、ホコリなどが付着しやすく、放置すると細菌が繁殖します。
私たち大人の口の中には、虫歯の原因となるミュータンス菌が存在します。親御さまがおしゃぶりを口に入れて舐めてからお子さまに与える行為は、ミュータンス菌をお子様に感染させてしまうリスクを高めます。
おしゃぶりを清潔に保つために、使用後には必ず、流水でしっかりと洗い流し、赤ちゃん用の安全な洗剤を使って丁寧に洗いましょう。乾燥後は、ホコリや雑菌が付着しないよう、清潔な専用ケースなどに入れて保管しましょう。
おしゃぶりは
いつまでにやめるべき?

お子さまの口腔内は、食事、呼吸、発音といった生命活動の基盤をなす非常に重要な器官です。
乳歯が生え揃い、顎の正常な成長が進む1歳半から2歳半頃は、これらの機能が確立される極めて大切な時期です。この期間に不適切な口腔習癖があると、成長の軌道が大きくずれてしまう可能性があります。
お子さまの成長や性格には非常に大きな個人差があるため、焦らずお子さまのペースに合わせて少しずつおしゃぶりから自然に離れる手助けをしてあげることが大切です。
もし、おしゃぶりの使用についてご心配なことや、どのように無理なく卒業させたら良いかお悩みでしたら、かかりつけの歯科医院や信頼できる小児科医にご相談ください。
おしゃぶりのやめ方
お子さまがおしゃぶりを卒業する時期は、多くの親御さまにとって悩ましい問題です。無理なく、そしてお子さまの将来の口腔環境を守るために、段階的なアプローチを試してみましょう。
お子さまが将来、健康な歯並びと正しいお口の機能を持つために、以下のステップを参考に、焦らず卒業を目指していくことが大切です。
- 使用時間を段階的に減らすいきなりやめるのではなく、「就寝時だけ」「外出時はなし」など、使う場面を少しずつ限定していきましょう。お子さまへの負担を抑えながら、無理のないペースで使用時間を短縮できます。
- 安心感を与える代替方法を見つけるおしゃぶりをやめる際には、お気に入りのぬいぐるみや毛布など、別の形で安心感を得られるものを探してあげましょう。抱っこやスキンシップを増やすことも効果的です。
- 卒業をポジティブなイベントにするおしゃぶりをやめることを「我慢」ではなく「成長の証」として演出してみましょう。
「もうおにいさん(おねえさん)だね」と褒めてあげたり、小さなご褒美を用意したりすることが、スムーズな卒業への近道です。
- 歯科医師に相談する「なかなかやめられない」「歯並びへの影響が心配」という場合は、歯科医師にご相談ください。
お子さまの口腔内の状態を確認しながら、その子に合った卒業のタイミングや方法を一緒に考えることができます。
おしゃぶりがなかなかやめられない場合は、私たち歯科医師にご相談ください。早期に相談することで、将来的な歯並びや顎の成長へのリスクを最小限に抑えることが可能です。
おしゃぶりが歯並びに
与える影響に不安がある方は、
堺市美原区の
「C&C美原デンタルクリニック」へご相談ください

お子さまがおしゃぶりを使うことで、歯並びへの影響など、ご心配な点はありませんでしょうか。これまでの記事では、おしゃぶりのメリット・デメリット、正しい使い方、そして卒業の目安について詳しくお伝えしてきました。
当院は、お子さまの健やかな成長をサポートする小児歯科治療に特に力を入れております。
私たち歯科医師が、お子さま一人ひとりの歯や顎(あご)の発育状態を丁寧に確認します。そして、親御さまのご不安な気持ちに寄り添い、具体的な解決策や最適なアドバイスを分かりやすくご提案いたします。
C&C美原デンタルクリニックは、小児矯正を得意としています。まずはお気軽にご相談ください。無料の矯正相談会も開催しています。