2026.04.22
混合歯列期の歯列矯正を徹底解説。矯正が必要な歯並びや矯正方法など
この記事を監修した人
C&C美原デンタルクリニック院長
杉田彰久
院長の杉田は成人・小児矯正を含めた各種先進医療を幅広く診療しており、口腔内の全体を診る全顎的な治療が可能です。特にマウスピース矯正治療を得意とし、MeLoS認定アライナー教育担当講師でもあります。患者様の希望や不安を丁寧に伺い、幅広い治療計画から患者様に適した治療方法を一緒に考え、地域のかかりつけ歯科医を目指しています。
お子さまの歯並びについて、日々心配されている親御さまもいらっしゃるかもしれません。混合歯列期は、お子さんの顎の成長や永久歯が次々と生え変わる力を最大限に活かせる、将来の歯並びを大きく左右する非常に大切な時期です。
この記事では、混合歯列期に歯並びが徐々に悪化する原因から、どのような状態だと本格的な矯正が必要なのかを解説します。お子さまの健やかな未来のために、ぜひ参考にしてください。
混合歯列期に歯並びが
悪化する原因

遺伝等の成長過程での影響
お子さまの歯並びが悪くなる原因の一つとして、遺伝的な要素や成長過程での影響が挙げられます。親御さまから受け継いだ骨格の特徴や、歯の形、大きさなどが、お子さまの歯並びに影響を与えるケースは少なくありません。
例えば、親御さんが「受け口」や「出っ歯」などの特徴を持っている場合、お子さまも同様の傾向を受け継ぐ可能性があります。遺伝的な影響や成長過程の不調和は、主に次の点で歯並びに現れることがあります。
上顎と下顎の大きさのバランスが遺伝的に悪いと、顎の成長がうまくいかないことがあります。歯の大きさが顎の骨に対して大きすぎると、きれいに並びきらずに歯が重なり合って生える「叢生(そうせい)」の原因となります。
口呼吸など日常的な癖
舌の癖は、食べ物を飲み込む際に舌で歯を押す、無意識に舌を突き出すなどの行為を指し、歯並びだけでなく、発音にも影響を及ぼすことがあります。お子さまの日常的な癖は、混合歯列期の歯並びに悪影響を与える原因です。特に、口呼吸、指しゃぶり、舌の癖に注意が必要です。
口呼吸では、舌が上顎に収まらず下顎に落ち込み、上顎の成長が妨げられます。これにより、歯が生えるスペースが不足し、歯が重なったり、出っ歯の原因となったりします。
指しゃぶりは、指の力が上顎の歯を前に押し出し、下顎の歯を後ろに押し込むため、歯並びに深刻な影響を与えます。この力によって、出っ歯や開咬を引き起こす可能性が高まります。
混合歯列期に歯列矯正が
必要な歯並び

出っ歯
出っ歯は専門的には上顎前突と呼ばれる歯並びで、上の前歯が下の前歯よりも大きく前に突き出ている状態を指します。上顎全体が前に出すぎている場合や、上の前歯だけが傾斜している場合もあります。
見た目の問題だけでなく、日常生活にも様々な影響を与えることがあり、口腔内の健康リスクとして、唇が閉じにくく口呼吸になりやすいといったことが挙げられます。
咀嚼・発音への影響としては、食べ物をうまく噛み切ることが難しいなどが挙げられます。噛み合わせのバランスが崩れることで、顎関節に負担がかかり、顎の痛みやクリック音といった症状につながる可能性もあります。
受け口
受け口は歯科用語で「下顎前突」や「反対咬合」と呼ばれ、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態を指します。受け口には歯の傾きが原因の「歯性の反対咬合」と、顎の成長が関係する「骨格性の反対咬合」があります。歯性の場合は軽度で、歯の位置を動かす治療で改善しやすいです。
受け口は見た目だけでなく、咀嚼機能の低下や発音への影響、顎関節への負担など口腔機能に影響を及ぼす可能性があります。
食べ物を前歯で噛み切りにくくなり、不適切な噛み合わせは顎関節に負担をかけ、顔のバランスを悪く見せることもあります。早期に発見し治療を始めることがお子さまの健やかな成長のために大切です。
開咬
開咬は「オープンバイト」とも呼ばれ、奥歯を噛み合わせた際に前歯が閉じず、上下の歯の間に隙間ができる状態です。開咬の場合、奥歯をしっかり閉じても前歯が接触しません。
前歯で食べ物をうまく噛み切ることができないため、奥歯に過度な負担がかかります。その結果、特定の歯に集中的な力が加わることで、歯の摩耗や破損、顎関節への不調和を引き起こす可能性も考えられます。
混合歯列期に開咬に気づいた場合は、原因となっている癖の改善が重要です。MFTと呼ばれるトレーニングで、舌の正しい位置や飲み込み方を習得することで、歯並びの悪化を防ぎ、改善を促します。
叢生
叢生は、乱杭歯や八重歯とも呼ばれる歯並びの状態を指し、歯がデコボコに生えたり、重なり合って生えたりする状態です。
叢生の歯並びは、見た目の問題だけでなく、お口の健康にも影響を与えます。歯が重なり合っている部分は歯ブラシの毛先が届きにくく、食べかすやプラークが残りやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
さらに、歯並びの悪さは、発音にも影響を及ぼすことがあり、特にサ行やタ行の発音が不明瞭になることがあります。噛み合わせのバランスが悪いと、顎関節に不調が生じることがあり、顎の痛みなどの症状につながる可能性があります。
すきっ歯
すきっ歯は専門的には「空隙歯列」と呼ばれ、歯と歯の間に不自然な隙間がある状態を指します。すきっ歯の原因はいくつか考えられ、歯の大きさが顎の骨に対して小さい場合、隙間が生じやすくなります。
すきっ歯は見た目の問題として気にされる方が多いですが、歯と歯の隙間に食べ物が詰まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります。
混合歯列期にすきっ歯が見られる場合、歯科医師がその原因を詳しく調べ、適切な治療法を提案します。顎の成長を考慮し、見た目の改善だけでなく、お口の健康と機能の向上を目指すことができます。
混合歯列期の歯列矯正方法

マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を歯に装着し、少しずつ歯を動かしていく矯正方法です。近年では、目立ちにくさや取り外し可能な点から、多くの方に選ばれています。マウスピース矯正の主な特徴は以下の通りです。
- 透明で目立ちにくい透明な素材で作られているため、装着していても周囲から気づかれにくく、学校生活や人前でも安心して使用できます。
- 取り外しが可能歯磨きも行えるため、虫歯や歯周病のリスクを減らし口腔内を清潔に保ちやすい利点があります。また、食事の際にも取り外せるため、食べ物の制限が少なく、お子さまのストレスを軽減できます。
- 違和感が少ない金属のブラケットやワイヤーを使用しないため、口の粘膜に当たる部分が少なく、痛みや口内炎が起こりにくいのが特徴です。初めて矯正装置を使用するお子さまでも比較的慣れやすい装置です。
- 通院回数を抑えられる場合があるあらかじめ複数のマウスピースをまとめて作製するため、ワイヤー矯正と比べて調整のための来院頻度が少なくなるケースがあります。保護者の方の送迎の負担軽減にもつながります。
ただしマウスピース矯正は、軽度から中程度の歯並びの乱れに適しており、お子さま自身の協力が必要となる矯正方法でもあります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面全体にブラケットという装置を取り付け、ワイヤー全体を通して歯を動かす一般的な治療の方法です。歯並びを三次元的に細かくコントロールし、理想的な美しい位置へと誘導する能力に優れており、複雑な歯の傾きや重度の叢生などの改善に特に力を発揮します。
固定式の矯正装置であるため、常に歯全体に矯正力がかかり、治療計画通りに歯がスムーズに動きやすいというメリットがあります。装置が目立つことや、ブラケットやワイヤー全体が口の粘膜に当たって痛みを感じることがあります。また、虫歯予防のための丁寧なケアが大切です。
ヘッドギア
ヘッドギアは、お子さまの顎の成長をコントロールしたり、奥歯を後方に移動させたりする際に用いられる取り外し式の装置です。
主に、上顎の骨の成長が過剰な「出っ歯(上顎前突)」や、奥歯が前方へずれてしまい、永久歯が生えるスペースが不足しているような歯並びの改善に効果を発揮します。
- 顎の成長を誘導成長期にあるお子さんの力を利用して、上顎の過剰な成長を抑えたり、下顎の成長を促したりする効果があります。
- 奥歯の移動奥歯を後方に動かすことで、前方に生えてくる永久歯のための十分なスペースを確保する目的でも使用されます。
リンガルアーチ
リンガルアーチは、歯の裏側に取り付ける固定式の矯正装置で、混合歯列期のお子さまに用いられます。この装置の大きな目的は、乳歯が早期に抜けてしまった場合などに、永久歯が正しく生えてくるためのスペースを確保したり、奥歯の位置を安定させたりすることです。
リンガルアーチの主な役割は、スペースの確保と奥歯の位置の固定です。リンガルアーチは、隙間を維持して、後から生えてくる永久歯のためのスペースを守ります。
歯の裏側に装着するため、外から見えにくく、審美性を損なわないというメリットがありますが、固定式であるため、装置と歯の間に食べ物が挟まりやすいことがあるため、丁寧な歯磨きで口腔内を清潔に保つことが大切です。
混合歯列期に歯列矯正をする
メリット・デメリット

メリット
混合歯列期に歯列矯正を行うメリットは、お子さまの将来の口腔内の健康と、身体全体の健やかな成長に貢献することです。お子さまの顎の骨はまだ成長途中で柔軟なため、この時期に矯正を始めることで、上下の顎の骨が理想的なバランスで成長するように誘導できます。
混合歯列期に顎を広げる処置を行うことで、永久歯が適切な位置に生えてくるためのスペースを確保します。正しい噛み合わせは、食べ物をしっかり噛み砕くことにつながり、消化器への負担軽減や栄養吸収の促進に役立ちます。
デメリット
混合歯列期に歯列矯正を行う際には注意点を理解し、準備しておくことが矯正治療をスムーズに進める上で重要です。
混合歯列期の矯正治療は、顎の成長と歯の生え変わりを見守りながら進めるため、長期間にわたる場合があります。また、取り外し式の矯正装置を使用する場合、装置の管理や装着時間を守っていただくことが重要です。
矯正装置を装着していると、歯ブラシの毛先が届きにくい部分が増え、食べかすやプラークが残りやすくなります。丁寧な歯磨きとフロスなどの使用が欠かせません。治療計画と費用については、事前に歯科医師と相談しておくことが大切です。
混合歯列期に歯列矯正を
検討している方は、
堺市美原区の
「C&C美原デンタルクリニック」へ
ご相談ください

混合歯列期は、お子さまの顎の成長や永久歯が生え変わる力を最大限に活かせる、歯列矯正にとって非常に大切な時期です。この時期に適切な対応をすることで、将来の美しい歯並びと、お口全体の健康な環境を整えることができます。
当院ではまず、精密な検査を通じて、お子さまの顎の成長段階や、歯並びの現状を詳しく分析します。
具体的には、レントゲン撮影や口腔内写真の撮影を行い、歯の生え方や顎の骨の状態を立体的に把握します。この詳細な情報に基づき、お子さまの特性に合わせた最適な治療計画をご提案いたします。
ご家族にご納得いただいた上で治療を開始することが、お子さまの長期的な健康につながると考えています。