2026.04.27
小児矯正で顎を広げるメリット・デメリット。顎を広げる矯正方法3つもご紹介
この記事を監修した人
C&C美原デンタルクリニック院長
杉田彰久
院長の杉田は成人・小児矯正を含めた各種先進医療を幅広く診療しており、口腔内の全体を診る全顎的な治療が可能です。特にマウスピース矯正治療を得意とし、MeLoS認定アライナー教育担当講師でもあります。患者様の希望や不安を丁寧に伺い、幅広い治療計画から患者様に適した治療方法を一緒に考え、地域のかかりつけ歯科医を目指しています。
お子さまの健やかな成長を願う保護者の皆さまは、「うちの子の歯並び、このままで大丈夫かな?」「将来、抜歯が必要になるかも…」といった不安を抱えていませんか?顎が狭いと、ガタガタの歯並び(叢生)や出っ歯の原因になるだけでなく、咀嚼や発音といった全身の健康にも悪影響を及ぼしかねません。
この記事では、小児矯正で顎を広げるメリット・デメリット、そして具体的な3つの矯正方法を詳しく解説します。
小児矯正で顎を広げる理由

小児矯正で顎を広げると聞き、疑問に感じる保護者の方もいるのではないでしょうか。お子さまの成長期に顎を広げることは、将来の健やかなお口の健康にとって非常に大切な意味があります。
私たち歯科医師が子どものうちに顎を広げることをお勧めする最大の理由は、永久歯が綺麗に生え揃うための十分なスペースを確保するためです。
もし顎の成長が不十分で、歯が生えるスペースが足りないと、永久歯が正しい位置に収まる場所がなくなり、歯が重なって生えたり、ねじれて生えたりすることが多くなります。
顎を広げることで、永久歯が本来あるべき位置にきちんと収まり、お口の機能が健全に育つための基礎を整えることができます。
小児矯正で顎を広げるメリット

歯列や骨格が整う
お子さまの顎の骨が生まれつき狭い、あるいは成長が不十分なままだと、永久歯が並びきらずに重なり合って生えてくることがあります。このような歯並びは、見た目だけでなく、歯磨きが難しくなることで磨き残しが増え、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまうことにつながります。
小児矯正で顎を広げる治療は、この顎の狭さを改善し、永久歯がきれいに並ぶための十分なスペースを作り出すことを目的としています。
顎の成長を適切に誘導することで、歯並びが整うだけでなく、お子さまの顔全体の骨格バランスが改善されることが期待できます。まだ成長期にあるお子さまの顎の骨そのものに働きかけ、根本的な改善を目指せる点が、小児矯正の大きなメリットです。
永久歯が正しい位置で生えてくる
お子さまの乳歯が永久歯に生え変わる時期は、顎の成長と密接に関わっています。
顎の骨が十分に発達していないと、生えてくる永久歯にとってスペースが足りなくなってしまいます。その結果、永久歯がねじれて生えてきたり、本来の場所ではないところに生えてきたり、「異所萌出」と呼ばれる状態になることもあります。
小児矯正で顎を広げることで、このような問題を防ぐことができます。適切な時期に顎の幅を広げてあげることで、永久歯が自然に正しい位置へと誘導され、まっすぐで健康的な歯並びへと導かれる可能性が高まります。
永久歯が正しい位置に生えることは、歯磨きのしやすさにもつながり、虫歯や歯周病の予防にも役立ちます。
抜歯する可能性を下げられる
大人になってからの矯正治療では、歯を並べるスペースが足りない場合、健康な永久歯を抜歯することがあります。これは、顎の成長が止まった大人の場合、歯を動かすスペースを確保する一つの手段です。しかし、抜歯には抵抗がある方も少なくありません。
成長期のお子さまの小児矯正では、顎の骨を広げることでスペースを作り出し、永久歯を抜かずに矯正治療を終えられる可能性を高められます。
顎の成長を利用できる期間に適切な治療を行うことが、お子さまにとって身体的負担の少ない矯正治療につながります。また、早期に矯正治療を開始することで、将来的な歯並びの問題を予防することも可能です。
口腔機能が改善する
歯並びは、単に見た目だけの問題ではありません。
食べ物をしっかり噛む「咀嚼(そしゃく)」、食べ物や飲み物を上手に飲み込む「嚥下(えんげ)」、正確に言葉を発する「構音(こうおん)」といった、お口のさまざまな機能に深く関わっています。これらの機能が正常に働くことで、健康的な食生活や円滑な社会生活を送ることが可能になります。
小児矯正で顎を広げ、歯並びを整えることで、噛み合わせが改善され、食べ物を効率良く噛めるようになります。また、発音の明瞭さも向上し、円滑なコミュニケーション能力の発展にも貢献することが期待されます。
鼻呼吸をしやすくなる
お子さまの顎、特に上顎の成長は、鼻の奥にある空気の通り道である「鼻腔」の広さと深く関連しています。
上顎を適切に広げる矯正治療は、鼻腔の空間も広げる効果が期待できます。これにより、口呼吸ではなく、自然と鼻呼吸がしやすくなることにつながります。
鼻呼吸は、お子さまの健康な成長にとって非常に大切です。鼻には、吸い込んだ空気を温めたり、湿度を与えたり、空気中のウイルスや細菌、アレルゲンなどを除去したりするフィルターのような働きがあります。
鼻呼吸がしやすくなることで、睡眠の質の向上や、集中力の向上にもつながり、お子さまの健やかな成長を多方面からサポートします。
小児矯正で顎を広げるデメリット

矯正期間中は虫歯や歯周病になりやすくなる
矯正期間中は虫歯や歯周病になりやすくなります。歯の表面に装置がつくことで、食べ物のカスが挟まりやすくなることがあります。
磨き残しが長時間お口の中に留まると、歯の表面を溶かす酸を産生して虫歯を引き起こしたり、歯ぐきに炎症を起こして歯肉炎へと進行させたりするリスクを高めます。
このようなリスクを避けるためには、矯正治療期間中の口腔ケアが非常に重要になります。歯間ブラシは、歯と歯の間、ワイヤーと歯の間などの隙間の汚れを物理的にかき出すのに役立ちます。
ご家庭での日々の丁寧なケアに加えて、定期的に歯科医院で専門的なクリーニングを受けたりすることで、虫歯予防の効果を高めることができます。
痛みや違和感がある
顎を広げる矯正治療では、歯や顎の骨に力を加えて位置を動かすため、歯が動く際の圧迫感や痛み、違和感が生じることがあります。これは治療が進む上で自然な反応であり、特に矯正装置を初めて入れた時や調整直後に多くの方が感じます。
痛みの感じ方には個人差があり、一般的には数日から1週間程度で慣れて和らぎます。
また、装置が口内粘膜に触れることで口内炎ができたり、擦れて痛みを感じることもあります。このような痛みや違和感には、鎮痛剤の服用、食事の工夫、矯正用ワックスの使用といった対策があります。
痛みが強い時は、おかゆやうどんなど刺激の少ない柔らかい食事を選びましょう。我慢できないほどの強い痛みや長期間症状が続く場合は、すぐにクリニックへご連絡ください。
治療期間が長くなる
小児矯正で顎を広げる治療は、お子さまの顎の骨が成長する時期に合わせて行われます。顎の成長を最大限に利用して歯が並ぶスペースを確保するため、体の成長速度を見極めながら治療を進めていく必要があります。
具体的には、顎の拡大に用いられる床矯正装置や急速拡大装置などを用いて顎を広げるだけでも、数ヶ月から1年程度の期間を要することが一般的です。
1期治療は乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行われ、主に顎の骨の成長を誘導し、スペースを確保することを目的とし、今回の顎を広げる治療がこれに該当します。
1期治療で顎を広げた後、永久歯が生えそろうのを待ち、必要に応じて2期治療へ移行するケースも少なくありません。
小児矯正で顎を広げる矯正方法

マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを交換しながら装着することで、歯を動かしていく矯正方法です。お子さまの矯正においては、顎の成長を促し、永久歯が適切に並ぶスペースを確保する目的で用いられます。
この治療は、お子さまの歯型を採り、そのデータをもとにコンピューター上で治療をシミュレーションします。この計画に基づき、お子さまの歯並びに合わせた、形の異なる複数のマウスピースが作製されます。
患者様には、歯科医師が指示した時間マウスピースを装着していただきます。一般的には新しいマウスピースに交換しながら、歯や顎の骨を理想的な位置へと誘導していきます。
床矯正
床矯正は、取り外し可能な装置を使って、主に上顎や下顎の骨を外側へと広げ、永久歯が適切に並ぶためのスペースを作り出す矯正方法です。
装置の内部に組み込まれたネジを、お子さまご自身や保護者の方が、歯科医師の指示に従って少しずつ回すことで、顎の骨を段階的に広げていきます。
お子さまの顎の骨は、成長の途中にあるため柔軟性があり、この時期に適切な方向へ誘導することで、骨格全体を良い状態へ導くことが期待できます。
治療は、まずお子さまのお口にぴったり合う、オーダーメイドの床矯正装置を作製することから始まります。
通常は週に数回、装置のネジを回して顎を広げながら、数週間から1ヶ月に一度程度の頻度で歯科医院へご来院いただき、装置の調整や治療の進行状況を確認します。
急速拡大装置
急速拡大装置は、上顎の幅が狭いお子さまに用いられる効果的な矯正方法です。
上顎の骨の中央には「正中口蓋縫合」と呼ばれる骨の継ぎ目があり、この装置は、この継ぎ目を専用の固定式装置で意図的に広げることを目的としています。数週間から数ヶ月で上顎の幅を大きく広げることが可能で、顎の骨格に問題がある場合に有効です。
治療では、まず歯型を採り、お口の中に固定する急速拡大装置を作製します。
装置装着後、保護者が専用のキーでネジを回し、上顎の骨を広げていきます。このネジ回しは治療初期に毎日行うことが多く、徐々に上顎が広がる感覚を実感できます。一定期間で顎の拡大が完了したら、広げた顎の位置が後戻りしないように安定させるため、数ヶ月間装置を維持します。
小児矯正を検討している方は、
堺市美原区の
「C&C美原デンタルクリニック」へ
ご相談ください

小児矯正を検討している方は、堺市美原区の「C&C美原デンタルクリニック」へご相談ください。私たち歯科医師は、お子さまの成長期に適切な小児矯正を行うことが、将来の健やかな歯並びと全身の健康にとって、非常に重要な意味を持つと深く認識しています。
ご提案する治療計画は、お子さまの成長度合いはもちろんのこと、日々の生活習慣やご家庭のご希望も伺いながら、適したものを一緒に考えていきます。
堺市美原区のC&C美原デンタルクリニックでは、お子さまが矯正治療を通じて自信あふれる笑顔と健やかな未来を手に入れられるよう、優しく、そして的確なサポートを心がけています。