2026.05.13

ストローマグで歯並びが悪くなる?子どもの歯を守るために知っておくべきこと

この記事を監修した人

C&C美原デンタルクリニック院長 杉田彰久

C&C美原デンタルクリニック院長

院長の杉田は成人・小児矯正を含めた各種先進医療を幅広く診療しており、口腔内の全体を診る全顎的な治療が可能です。特にマウスピース矯正治療を得意とし、MeLoS認定アライナー教育担当講師でもあります。患者様の希望や不安を丁寧に伺い、幅広い治療計画から患者様に適した治療方法を一緒に考え、地域のかかりつけ歯科医を目指しています。

お子さまの水分補給に便利なストローマグは、多くのご家庭で使われている育児アイテムです。この記事では、なぜストローマグが歯並びに影響するのか、具体的にどんなトラブルが起こりうるのかを詳しく解説します。

ストローマグの選び方や使い方を見直すことで、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。大切なお子さんの健やかな口腔育成のために、ぜひ本記事で正しい知識を身につけ、今日からできる対策を始めてみませんか。

生後6~8ヶ月でストローマグを
使うデメリット

生後6~8ヶ月でストローマグを使うデメリット

大人の飲み方が身につかない

生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんのおっぱいを効率よく吸うための「乳児型嚥下(にゅうじがたえんげ)」という、舌を前に突き出す赤ちゃん特有の飲み方をします。

しかし、成長するにつれて食べ物を噛んで飲み込むようになると、舌を上顎にぴったりとつけて飲み込む「成熟型嚥下(せいじゅくがたえんげ)」という大人の飲み方へと自然に移行していくのが、理想的なお口の成長過程です。

ところが、早い時期からストローマグを使いすぎてしまうと、この「大人の飲み方」へのスムーズな移行が妨げられることがあります。ストローで飲み物を吸い込む動作は、舌を複雑に動かして飲み込むというよりは、主に頬の筋肉を使って口の中に引き込む動きが中心になります。

そのため、食べ物を口の中でまとめたり、唇をしっかり閉じて飲み込んだりするために必要な舌の繊細な動きや、唇の力が十分に育ちにくくなってしまうのです。

結果として、いつまでも「乳児型嚥下」のような飲み方が癖として残り、食べ方や飲み方に影響が出てしまうことにもつながりかねません。

成熟型嚥下

成熟型嚥下とは、大人が食べ物や飲み物を上手に飲み込む、効率的で健康的な飲み方のことです。食べ物や飲み物が口に入ると、舌全体が上あごにぴったりとつき、奥へと送り出す準備をします。

上下の歯がしっかりと噛み合わさり、舌が上顎を強く押し上げるように動いて、食べ物をのどへと運びます。成熟型嚥下を正しく身につけることは、食べ物を効率よく安全に飲み込めるだけでなく、きれいな歯並びの形成にも深く関わっています。

乳児型嚥下

乳児型嚥下は、赤ちゃんが生まれつき持っている、母乳やミルクを吸うための特別な飲み方です。この飲み方の大きな特徴は、飲み込むときに舌が前に突き出し、下の唇や歯ぐきの間に挟まるような動きをすることです。母乳を飲む赤ちゃんをイメージすると、その動きが分かりやすいでしょう。

舌を前後に動かしながら、口の周りの筋肉を使って吸い上げる動作が中心になります。しかし、ストローマグを早期から多用すると、この自然な移行を阻害してしまう可能性があるのです。

口周りの筋肉が発達しない

ストローマグで飲み物を飲む際、お子さまは主に「吸う」という特定の動作を繰り返します。口の周りの筋肉がバランス良く働くことで、歯や顎の骨が正しい位置に成長します。この時期に適切なストローマグの使用は、顔の筋肉の発達を促し、将来の健康な口腔環境を支える基盤となります。

口の周りの筋肉が適切に発達しないままだと、常に口がポカンと開いてしまう「口唇閉鎖不全」につながることがあります。

舌の位置が下がる

ストローマグで飲み物を吸い上げるとき、お子さまの舌は下顎の方に下がったまま、前方に突き出す動きをしやすいです。ストローマグの常用で舌が低い位置に留まる状態が続くと、上顎を広げる力が十分に働かなくなります。

さらに、舌が正しい位置にないことは、出っ歯や受け口、開咬といった不正咬合につながることもあります。ストローマグの使用は、お子さまの顎やお口の成長に密接に関わるため、慎重な検討が求められます。

ストローマグの常用によって
起こりうる
歯並び・口腔関連の
トラブル

開咬

開咬

開咬とは、奥歯をしっかり噛み合わせても、上の前歯と下の前歯の間に隙間ができてしまい、口がきちんと閉じない状態を指します。ストローマグを長く使うことで、お子さまはストローを吸う際に舌を前歯の裏側に押し付けたり、前方に突き出したりする癖がつきやすくなります。

長期化すると食事や発音にも支障をきたす

上記の様な不自然な舌の動きが長期間続くと、前歯は常に内側から外へと押される形になり、前歯が前方に傾いたり、上下の前歯が噛み合わなくなり、隙間ができて開咬に繋がりやすくなります。

開咬が続くと、食べ物を前歯でうまく噛み切れなかったり、発音に影響が出ることがあります。

すきっ歯

すきっ歯

すきっ歯は、歯と歯の間に不自然な隙間ができてしまう状態を指します。ストローマグを長く使う習慣があると、ストローを吸う際に唇を強くすぼめる動きを繰り返します。これらの不自然な口の動きや舌の位置は、歯に余計な圧力をかけ続けることになります。

口の圧力のアンバランスが歯の位置をずらしていく

唇を強くすぼめる力は、歯が内側に押し込まれることで、スペースに余裕がなくなり、他の歯との間に隙間を生じやすくなり、結果として、歯が本来あるべき位置からずれてしまい、「すきっ歯」になるリスクが高まります。

すきっ歯は、見た目だけでなく、口腔機能にも影響を与えることがあります。

口呼吸やそれによる不正咬合

口呼吸やそれによる不正咬合

ストローマグを長く常用するお子さまは、口を閉じる力や舌を上顎に収める力が十分に育ちにくい傾向があります。口呼吸になると、舌は常に下顎に下がった状態になってしまいます。

しかし、舌が低い位置にあると、上顎への適切な刺激が不足し、歯が並ぶスペースが不足します。結果として、歯が乱れて生えてくる「不正咬合」を引き起こす原因となるのです。

口呼吸が歯並びの乱れを引き起こす

口呼吸は、歯並びだけでなく、お子さまの全身の健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。

お子さまの健やかな成長のためには、正しい鼻呼吸を習慣づけることが非常に重要です。

ストローマグを導入する
おすすめのタイミング

ストローマグを導入するおすすめのタイミング

7ヶ月頃まではスプーン

生まれてから生後7ヶ月頃までは、水分補給にスプーンを使う練習を重ねましょう。この時期の赤ちゃんにとって、スプーンで飲む動作は、お口のさまざまな筋肉を育てる大切な訓練になります。

口輪筋がしっかり発達すると、将来的に口を閉じる力が強くなり、口呼吸の予防にも役立ちます。スプーンを使うメリットは、他にもあります。

  • 誤嚥(ごえん)のリスクを減らす
    飲み物の量やスピードを保護者の方が調整しやすいため、お子さんがむせる心配を減らせます。
  • お口全体の機能の土台作り
    将来の歯並びや、食べ物をしっかり噛んで飲み込むための大切な力を育みます。

7~8ヶ月目まではコップ

生後7~8ヶ月頃になったら、コップで飲む練習を始めましょう。コップで飲む際には、唇全体でコップの縁を受け止め、飲み物を口に入れる必要があります。コップ飲みの練習を通して、お子さまの口は次のような大切な力を身につけていきます。

  • 唇を閉じる力(口唇閉鎖力)の向上
    飲み物をこぼさないように唇をしっかり閉じる練習になります。
  • 舌の正しい位置の習得
    コップで飲むと、舌が自然と上顎に収まりやすくなり、成熟型嚥下の習得を促します。

最初は保護者の方がコップを支え、少量からスタートしましょう。

3歳以降はストロー

3歳以降にストローマグを本格的に使うのが望ましいとされています。この頃には多くのお子さんで、大人の飲み込み方である「成熟型嚥下」が確立され、口の周りの筋肉や舌の使い方も安定してきます。

成熟型嚥下がしっかり身についていれば、ストローを使う際の不自然な舌の動きや、口周りの筋肉の偏った使い方を避けることができます。

ストローはあくまで一時的な補助ツールと考え、基本的にはコップで飲む習慣を大切にしてください。お子さんの健やかなお口の成長のためにも、ストローマグの適切な使用時期と使い方を心がけましょう。

ストローマグ以外も要注意。
子どもの歯並びに影響を
与える物や癖

ストローマグ以外も要注意。子どもの歯並びに影響を与える物や癖

おしゃぶり

おしゃぶりは、赤ちゃんにとって心を落ち着かせ、安らぎを与える大切な道具です。上手に使うことで、保護者の方の育児負担を減らすメリットもありますが、使い方を間違えると、お子さまの歯並びや顎の成長に思わぬ影響を及ぼす可能性があります。

おしゃぶりを吸うとき、お子さまは特定の口の形を保ち、舌も特定の動きをします。この状態が長く続くと、上顎の変形と出っ歯、開咬、顎の成長バランスの乱れといった影響が出ることがあります。

焦らず、お子さまの気持ちに寄り添いながら、使用時間を少しずつ減らす、他の安心できるものを見つける、頑張りを褒めるといった方法で、おしゃぶりからの卒業を進めていきましょう。

指しゃぶり、爪を噛む習慣

爪を噛むことで歯が欠けるだけでなく、顎関節症のリスクも高まるため、早期の対応が望ましいです。指しゃぶりや爪を噛む習慣は、お子さまの心の安定に関わることもありますが、長期間続くと歯並びに悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

指を吸う行為は、前歯が前に出る「出っ歯(上顎前突)」、前歯が閉じない「開咬(かいこう)」、顎の成長バランスの偏りを引き起こすことがあります。

指しゃぶりをやめさせるには、お子さまの気持ちに寄り添い、安心できる環境を整えることが大切です。繰り返し爪を噛むことで、前歯の先端が削れてしまいます。

うつ伏せ寝

お子さまの寝る姿勢は、歯並びや顎の成長に影響を与えることがあります。特に、長時間のうつ伏せ寝には注意が必要です。乳幼児期の顎の骨は柔らかく、成長が活発な時期です。

うつ伏せで寝る習慣が続くと、お子さまの顎や顔の一部が常に枕や布団によって圧迫されます。この圧迫が長期間続くと、顎の成長バランスの乱れや、噛み合わせの異常といった悪影響が生じることがあります。

寝る向きを定期的に変えたり、顔への圧迫を軽減したりするなど工夫を取り入れてみましょう。もし気になる点があれば、かかりつけの歯科医師や小児科医に相談することをおすすめします。

ストローマグによる歯並びへの
影響に不安がある方は、
堺市美原区の
「C&C美原デンタルクリニック」へ
ご相談ください

ストローマグによる歯並びへの影響に不安がある方は、堺市美原区の「C&C美原デンタルクリニック」へご相談ください

ストローマグがお子さまの歯並びに与える影響について、ご不安を感じていませんか。C&C美原デンタルクリニックでは、お子さまのお口の発達と歯並びに関する専門知識を持つ歯科医師が、保護者さまの疑問や不安に寄り添い、丁寧に診察いたします。

当クリニックでは、お子さま一人ひとりの成長段階、現在のお口の状態、ご家庭での生活習慣を詳しく拝見し、現状のお口の状況を理解しやすい言葉でご説明します。その上で、ご家庭で実践できる具体的なケア方法や、より良い習慣づくりのヒントをご提案します。

私たちC&C美原デンタルクリニックは、地域のかかりつけ医として、お子さまの健やかな成長を保護者さまと共に全力で支えていくことをお約束します。

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